阿蘇烏帽子岳・杵島岳・往生岳

2006年4月16日

photo : T.Maehara


 

阿蘇五岳といえば、高岳・中岳・根子岳・杵島岳・烏帽子岳である。
そのうち杵島岳・烏帽子岳は未登頂であった。

先週、根子岳に登ったが、今週も阿蘇の山を計画した。

 

天気予報も前日になるまでころころ変わって、当てにならない。
この日は、もとより好天の予報ではなかったが、前日になって晴マークに変わった。

しかし朝は冷え込んで、風も強く、4月の中旬とは思えない寒さだ。

 

草千里手前のカーブの所が登山道起点であり、
ちょうど車を停めるスペースもある。

早朝から夜明けの写真を撮っているのか、
車が2台停まっていた。

早々に出発する。草千里を取り巻く縁の上の道は、
所々崩落して歩きにくい所もあるが、難所はない。

雲がかかってあまり見晴らしが良いとはいえないが、
鞍岳、熊本平野、俵山方面の眺めが素晴らしい。

日の出がこの水たまりに映るというシチュエーションがあるかも?

誰もいない。ただ馬たちが闊歩する。

静かな草千里を周遊する気持ちよさは、また格別だ。

俵山方面

風力発電の巨大な風車が、今日はけっこうくるくる回っている。

阿蘇の野にはいろいろな花が多く見られるが、
今はネコヤナギやヤシャブシの花芽が伸びる季節だ。

まだこのあたりには、スミレもハルリンドウも見られない。

徐々に道は登り道となってくる。滑りやすい所もあるが、問題なく進むことが出きる。
いつの間にか草千里全体を見下ろす程の高さにいた。

烏帽子山の頂上はすぐそこに見える。

ここまでに出会った花といえば、
馬酔木の他は、キスミレが数株とツクシショウジョウバカマくらい。

イワカガミはたくさんあるものの、まだ葉っぱのみ。

お天気も良く、草千里が一望の下に。
さらに今日のコースも見渡せた。


あっけなく山頂へ。

烏帽子山(1337m)

これで風がなくて寒くなければ最高だ。

しかし雲が湧いては流れ、あたりの風景はドラマチックではある。

山頂から望む阿蘇中岳と高岳。

中岳の噴煙も一時も同じ形をしていない。

南郷谷方面

雲が流れていく。

風車のように廻る風車。

 

早々に山頂を後にした。

 


斜面に朝日が射し込んだ。
新芽が萌えだした木々を照らし浮かび上がらせた。

日があたったところでは、前日の雨が、水蒸気となって沸き上がる。

 ここにも!

ふり返ると烏帽子山の山頂はガスに呑まれていた。

正面には杵島岳

急坂を下って車道へ。
右へしばらく行くと左に立派な遊歩道が整備されている。

遊歩道にはいると正面に馬酔木の群落。

アスファルトの階段の境目からツクシが顔を出す。これが俗に言う、

ど根性ツクシ?

濡れた馬酔木の花に光がまわって、意外と美しいと感じた。

 

遊歩道を進むと緩いピークにベンチがあった。
美智子妃の記念植樹の碑が立っている。

ここから眺める草千里と烏帽子岳。

すじ雲が伸びて、清々しい絵となった。

往生岳分岐を過ぎるとまたベンチがある。

その上は杵島岳だ。
野焼きがされて焼けた灌木と、やけど後が痛々しい馬酔木の木

杵島岳へは正面登山道を登るつもり。
逆回りだと道がよく分からない。


登山道もアスファルトの道だ。しかも頂上付近まで続く階段道。

しかしここの階段は上りやすいと感じた。
歩幅にあった奥行きと低い段差がちょうど良い。

杵島岳山頂(1326m)

あたりはガスで何も見えない。風が強く寒い。

        

さてどうしたものか迷ったが、
いま上ってきた階段をすぐ下りるのは、いただけないアイデアだ。

お鉢周りをすることにした。

ガスが立ちこめて、あたりが何も見えない。
地図とコンパスで方角を確かめ、踏み跡をたどりながら進む。

すると瞬く間にガスが流れて周りの視界が晴れてきた。

お鉢が見渡せた。韓国岳を小さくした感じだ。

 

 

お鉢の東へ廻ると、古い噴火孔跡が真下に広がっている。
その向こうには中岳の噴煙と、鷲ガ峰や虎が峰を従えた高岳が聳え、
ここは素晴らしい景観だと思った。

霧島にもくじゅうにもまったく負けていない雄大な光景だった。

ゴウゴウと音を立てているのが聞こえてきそうな中岳の噴煙。

噴火口の中にたまった火口湖(水たまり)

火口縁に生い茂る馬酔木の群落。

これがミヤマキリシマの群落だったら、、、なんてことは考えないようにしたい。

このまま下っていくと、下に広がる下降縁に降りることになる。

往生岳へと向かうため、杵島岳と往生岳の鞍部を目指して道なき道を下った。

ガスが出て往生岳や鞍部が見えないときは方向が分かりにくく、
しかも目安も道も踏み跡もないのできっと迷うことだろう。

ここは注意が必要だ。

往生岳へとりついてふり返ってみた杵島岳。道が全くない。

 


25,000分の1の地図には奥のピークに往生岳と記載されているが、
手前のピークに往生岳の標識。

標識より中岳方面を眺める。

さらに奥のピークへと向かった。

山頂まで牛が上がってくるのだろう。

山頂まで牛の踏み固めた牛道が刻み込まれている。

しかも山頂は牛糞だらけだ。

中岳の麓に広がる荒々しい風景。
草木も生えないというそのままの姿。

往生岳の山頂も噴火孔跡が口を広げている。
端から眺める往生岳は緑の草原のなだらかな山の姿をしているのだが。

往生岳から眺める杵島岳と噴火孔跡。遠くに烏帽子岳の姿も見えた。

米塚

鞍部から見える中岳。

杵島岳と往生岳の鞍部から左へと進み、
ちょうどこの木を目安に突き進むと噴火孔跡の縁へと出る。
この木の手前は崩落しているが、危険はない。


ここは火口跡の縁で、杵島岳から直接降りてくることも出きるだろう。

火口縁の馬酔木の群落。

中岳と高岳鷲ガ峰

縁の上を巡る道。抜群の見晴らしと景観。

往生岳を眺めた。

中岳の噴煙 さっきよりおとなしくなっていた。

杵島岳と中岳の間に広がる大地

新緑の季節の到来だ。

この広大な大地に幾本かの道が見える。
遊歩道のようにも見える。

阿蘇はすっかり観光化されて、山歩きの対象となりにくいが、
わたしは、今日はっきり感じることが出来た。
くじゅうや祖母、霧島の縦走にも負けない魅力があると。

今年は阿蘇の山々を味わってみるとするか。

火口縁をぐるりと廻ると杵島岳の向きも変化する。


はじめに通った遊歩道にたどり着いた。
ただし、往生岳分岐とは30mほど展望台寄りに出たのだった。
逆回りするときは注意が必要だ。

 草千里を眺めながら、もう帰りの温泉のことを考えていた。

草千里の売店で、焼き鳥を買った。

 

杵島岳や烏帽子岳というと観光客が登る山のように思っていたが、
いやいや、侮れないコースだった。
隠れた名コースともいえる。

私にとって阿蘇再発見だった。


 

本日のコース

 

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