東の空が随分と明るくなってきた。
山の端で遮られ、まだ朝日は射して来ない。
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八方が岳の独特の風貌と通称「蟹の爪」が見渡せる道路脇に車を停めた。

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朝の静まりかえった空気を通して見る晩秋の色合い。

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登山口には1番乗りだった。

今日もゆっくり、一人の山歩きだ。
三脚を抱え、被写体を探しながらの「写猟」である。
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しばらくは自然林の中、沢沿いの道が続く。
朝日が射し込む前の青々とした水色が、
枯れ積もった落ち葉をいっそう寒々しいものに感じさせる。

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うっすらと黄色く変色した葉が、かなり明るくなった空の光を受けて輝きだした。

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僅かに残る紅葉を見上げたり、

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岩と木が一体となってしまった様子にただびっくりしたり、

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このあたりには巨大な岩が露出している。
その痩せた地面に根を張り巡らして伸びる木々の姿を眺めたり、

三脚を抱えた足どりは重くはないが、何しろのろい。
たくさんの人たちが後から後から追い越していく。
最初に入山して最後に下山するのだろう、きっと。
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落ち葉で埋まったの林床を歩くのは気持ちが良い。
さくさくと鳴る音が心地よい。
たち上がる枯れた葉っぱの匂いが香しい。

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秋深い山の道。

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緩やかな登りの先には、まだ色を残した紅葉。

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岩をシッカリと掴んで伸びる木。

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横に広がった根っこの尾根に、
朝日がやっと射し込んできた。

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菊池の斑蛇口からの道と出合い、
ついで山の神からの道と出会うとすぐ山頂である。
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八方ヶ岳山頂
山頂は見晴らしの良い日溜まりとなっていた。
今日は風もなく気持ちの良い昼食時間を過ごすことが出来た。

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祠の廻りに何やら色鮮やかな石があった。
何だろうとのぞき込んでみると、

子供達の願いを記した色とりどりの小石だった。
きっと願いは叶うだろう。
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遠く鞍岳の手前に見えるダムは竜門ダムだろうし、

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遠く山頂にレーダードームみたいに白く輝く建造物が見えるのは
福岡県最高峰の釈迦が岳に違いない。

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しばらく山頂の陽気を楽しんで下山する。

帰路は山の神方面へと下った。
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道脇にはナルコユリが黒い実を付けているのに出会う。

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スギの植林地をひたすら下る。

結構手入れが入っていてまっすぐ伸びた姿が気持ちよい。
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上を見上げるとご覧の通り。
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足下にも秋のなごりが。

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水が流れて地肌がえぐれたところでは、何本もの木が倒れていた。

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荒れた林道を下ると1っぽんの林道に突き当たる。右へ辿ると登山口だ。

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林道に入ってすぐ、眼前に蟹の爪がひょっこり現れた。

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その下を通る道。

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杉林の荒れた様子が最近では、
すっかり当たり前になってしまった里山風景ではある。

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矢谷橋が見えるとそこが登山口だ。

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車を停めた所へと戻る途中には、まだまだモミジの紅葉も見ることができる。

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午後、すっかり陽が昇った菊鹿の山肌には、秋のなごり色が広がっていた。

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紅一点

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晩秋の里山

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目印の木

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