|
|
吉部の登山口より一歩入ると、そこはまだ薄暗い杉林だ。以前もこのアングルで同じような写真を撮ったが、今日もまた同じように撮ってみた。レンズや絞りを変えてみた。
|
|
|
|
3日に訪れたときはまさに紅葉の盛りであった。
しかし今日は風情とはまったく異なっていて、なごりの秋である。

|
|
|
|
葉が落ちで明るい山道。落ち葉の道。

|
|
|
|
くすんだ色合いが憂いの秋を醸し出す。

|
誰もいない滝
|
|

|
|
|
|
水の色は深く蒼い

|
|
|
|
今日の目的は鳴子川を、ここ暮雨の滝より遡上することだった。
静かな渓流の遡上が続いた。
落ち葉に満ちた渓谷の姿がそこにあった。

|
|
深い森には清冽な水が生まれる。
出来た流れはやがて小川となって里へと出ていく。
おびただしい落ち葉が堆積する渓谷は生き物達にとって、
冬を行きの扱くためには欠かせない恵みとなる。
やがて落ち葉は分解されて海へと注ぎ、また豊かな海を造る。
|
|
|
|
|
鳥のさえずりもなく、ただ瀬音のみがある世界。

|
|
|
|
足が濡れないように、岩をつたい右岸へ、また左岸へと渡り歩く。

|
|
|
とうとう登山靴では渉れなくなった。
先は険しい岩場の連続のようだ。
戻るかどうか考えたが、地図を見ると、
右岸の小高い丘を越えるとまた平坦な河床になりそうである。
丘を越えて行くことにした。
|
|
|
|

|
|
|
|
自然林の丘の上に朝日が射し込む。

|
|
|
|
静かすぎて心細くなる森だ。所々イノシシが掘り返した痕がある。
|
|
|
|
倒れ朽ちた木。もうやがて土に戻る。

|
|
|
地面がクマザサ(ミヤコザサ?)に覆われている森だ。
葉が落ちて向こうの山肌が見通せ、朝日が林床に届く。
もうすぐ冬の到来だが、寂しいばかりではない、
次に繋がる命の連鎖を感じさせてくれる。

|
|
|
|
霜に当たったばかりと思われるまだ綺麗な落ち葉。

|
|
|
やっとの思いで丘を越えた。鳴子川に出たのは良いが、
また右岸へ左岸への繰り返しとなった。

|
|
|
暑い季節の沢歩きなら気持ちいいだろう。
しかしこの季節では憂鬱になるばかりだ。

|
|
|
林道終点の橋が見えた。ほっとした。

|
|
|
林道の脇に生えたクマザサの廻りに落ち葉が積もって、
クマザサの葉が一段と緑鮮やかに見えた。

※冬になると葉の縁に白いくまどり(隈取り)ができるからクマザサ(隈笹)というのだそうだ。
|
|
|
|
ヤドリギの木(勝手に自分でつけた)

|
|
|
|
ふり返ると晩秋の道が続いていた。

|
|
|
|
行く先の道もまたなごり秋の色だ。

|
|
|
|
所々にはまだ綺麗なモミジもあって、行く人々の目を楽しませてくれる。

|
|
|
|
透けた森の下はつもり積もった落ち葉の絨毯。
今日の山はまさしく「落ち葉の絨毯」がキーワードとなろう。

|
大船林道から近道へと入ったところ。
|
|

|
|
|
|
「行く秋を惜しむ」ように撮った1枚だが、

行く秋を楽しむ気分でもあった。
|
|
|
|
冬芽輝く

|
|
|
周りを見ながら歩いていたので、
いつの間にか林道に出てしまっていた。
その林道の際にあったカシワ?クヌギ?の木

|
|
|
|
初めて通る道だった。

まだまだ紅葉が綺麗だった。
|
|
|
しばしファインダーを覗きながら遊んだ。
何にもじゃまされない時間だった。

美しいと感じ、美しく撮ることだけに気持ちが向かった時間。
至福の時間を得た。
|
|
|
|
淡い紅色が美しい。
|
|
|
|
やはりここでも落ち葉がメインテーマだ。

|
|
|
|
綺麗な落ち葉。モミジばかりではないのが嬉しい。
|
|
|
|
林道起点の橋の近くでふり返ると、まだ必死に葉をつけている木々の姿が見えた。

|
|
|
紅葉の盛りはあっという間に過ぎ去ってしまった。
河床には無数の落ち葉が積もった。

|
|
|
|
落ち葉の絨毯は次世代への贈り物だ。

|
|
|
|
曇空の光にも輝いて見える。
|
|
|
|
川の淀みに浮かぶ落ち葉越しに森の木々の叫び声が聞こえる。

|
|
|
今日はずっと落ち葉の絨毯を感じた1日だった。
いつの間にか、
わびしさよりも温かささえ感じるようになっていた。

|