霧島縦走

2005年5月29日

photo : T.Maehara


 

知人を誘って、霧島の山々とミヤマキリシマを満喫する山歩きを計画した。

 

朝起きに不安があって、5時半出発を30分遅らせた。
案の定、というか何とか途中で拾って予定通り出発できた。

 

えびの高原を8時15分に出発。
青い空に白い雲が浮かび、予想外の好天となった。
南九州は今週梅雨入りの予報だった。

 

山歩きは初めてという人もいる。
高千穂河原までの道のりを考え、
韓国岳まではゆっくりと登る予定だ。


各地のミヤマキリシマの情報では、今年の花付きはとても良いらしい。
えびの高原のミヤマキリシマも、今が盛りだ。

斜面をピンク色に染めている。

マイヅルソウ

ヒメミヤマスミレ

五合目

まだまだ余裕の面々。
見晴らしが良くなって俄然元気が出てきた様子。

一面に広がる緑の絨毯。緑が美しい。

韓国岳の火口が見下ろせるところに着いた。
みんなを誘って火口見物。

思わぬ絶景に歓声が上がった。
おそるおそる火口底を見下ろす。

  

ここまで来れば山頂まではもう一息だ。

白い雲が印象的な山歩き。
吹き抜ける風はひんやりとして気持ちよい。。


韓国岳(1700m)

日本百名山の1つ。

軽く行動食を口にして、これからの山行きに備えた。

大浪の池もいつものようにその青い湖面を湛えていた。

次第にガスがかかってきた。
東南の方面は真っ白となって何も見えなくなった。

期待の高千穂峰も雲に覆われてその山頂は見えない。
残念!ここからの景色をみんなに見せたかったのだが。

韓国岳からの急坂を慎重に下る。
ガレ場が続くので注意が必要だが、景色がよいとついつい足下がおろそかになる。
今日はその点では心配なさそうだ。

 


鞍部から獅子戸岳へと近づいてくると、
あたりはミヤマキリシマに囲まれた道となった。

山肌がピンクに染まっている。
やはり今年は特に花着きが良さそうだ。

みんなも一面のミヤマキリシマに感激しきり。
疲れを忘れて進んだ。

ふり返るとミヤマキリシマの向こうに韓国岳の丸い姿が見えた。

韓国岳に登ってさらにここまでやってきたことに、
我ながら感心し、感激の声が漏れた。

道のりの半分も来ていないが、
みんなまだ体力も気力も充分なようだ。

獅子戸岳の山頂が間近に迫った。ミヤマキリシマが咲き乱れる道が続く。

獅子戸岳山頂直下。

ミヤマキリシマを主木とした庭園の趣だ。

 福岡のテレビ局の取材グループを追い抜いて山頂へ向かった。

 


獅子戸岳。
すぐ追いついてきたテレビクルーの方に記念撮影をお願いした。

その代わりというのか、ひとしきりのインタビューとなった。

彼らもここで昼食をとるという。
私達もさっそく見晴らしのよい所に陣取ってお弁当を開いた。

食べている間にも、みるみる空が曇って雨粒が落ちてきた。
風もでてきた。雨具が必要かと思う間もなく、再び雲が割れて明るくなった。

すると待望の高千穂峰がその姿を現した!

いつ見ても何度眺めても見飽きない山容だ。

獅子戸岳を後にして最後の登りといって良い新燃岳へと向かう。

 

少しばかり新燃岳への坂を登り返したところから獅子戸岳をふり返った。

ミヤマキリシマと枯れ木立。ピンクに染まる獅子戸岳の向こうに韓国岳。
今日の充実感を噛みしめながら坂道を上った。

みんな、そろそろ根を上げる頃かと思いきや、
意外にもすんなりと新燃岳にたどり着くことができたようだ。

 


新燃岳

この景色も同行の仲間には予想外だったらしく、
しばし沈黙の時間。

ここまで来ないと見ることのできない景色を脳裏に刻みつけているに違いない。

いつもと変わらない姿。このところ雨が降っていないので、
火口湖が干上がってはいないかと心配していたが杞憂ですんだ。

まぁ、干上がったなんて話聞かないけど。

いつも不思議に思うこのエメラルドグリーン。

かすかに水蒸気を吹き上げている。

誰かが言った。
この湖水、温かいのかな?
露天風呂に使えるかな?

雲が流れた。
新燃岳に雲の影が走った。

新燃岳の火口縁にもミヤマキリシマが咲き乱れている。
昨年に比べて段違いに花の量が多い。

     

ここで花見ができようとは夢にも思わなかった。感激の風景だ。

中岳の姿も見え始め、今日の山歩きもいよいよ終盤となってきた。

高千穂峰を眺めながら、心地よい風とピンクの花に囲まれて、
夢見の山歩きが続いている。

ここに来てやや疲れの色がでてきている?かな。

後は高千穂峰の姿が彼らを励ましてくれて、
高千穂河原まで導いてくれるだろうと祈った。

 


長い木製の階段が続く。
石段ほどは堪えないが、脇道を下りる人も多い。

しかし山への負担を案じれば、やはり木道を降りなくてならないだろう。

 

青い空に雲が湧いては流れ去る。

梅雨が近いことを気づかせてくれる雲なのだろうか。

なだらかな高原の散歩道を提供してくれる中岳。
心地よい風に吹かれて疲れも忘れ、笑みも浮かんだ。

韓国岳から続く道。
獅子戸岳は見えないが新燃岳と中岳の火口跡が一直線に見渡せる。

やや霞んできて、桜島の姿もおぼろげとなった。
途中天候の乱れに心配もしたが、何とか高千穂河原まで保ってくれそうだ。

眼下には高千穂河原の駐車場や社殿が見えた。旅の終わりが近づいた。

石畳の遊歩道。疲れた足には辛い道だ。
中岳までは何とか涼しげだった仲間達の顔がゆがんで見えた。

高千穂河原。バス停前。

目の前に聳える高千穂峰のお鉢。その斜面がピンクに染まって見える。
もしかしたら一面のミヤマキリシマかもしれないと思った。

14時51分、定刻通りバスが到着した。

 


 

一時天気がくずれ雨が降り出したもののすぐ上がり、
一面のミヤマキリシマと、神々しい姿の高千穂峰を見ながらの山行きは
私達に最高の1日を与えてくれた。

はるばる歩いた1日だった。一面に咲き乱れたミヤマキリシマ。
エメラルドグリーンの火口湖を持つ新燃岳の景観、

明日になれば、張って痛い足に思うだろう。
昨日のあの体験は本当にあったのだ!

やがて、今日のこの山歩きのことを
白日夢のように感じ始めることだろう。

 


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